≪デボーションの友≫2023/6/19-24

2023/6/19(月) 担当 高谷清師 ルカ1:1-4  賛美 聖歌(総)519 聖歌 501

 先週までは主イエスの受難と復活について読んできた。パウロの「しかし、実際、キリストは死者の中から復活し、眠りについた人たちの初穂となられました。」(Ⅰコリ 15:20)ということばこそ、私たちの希望であり喜びである。この言葉に深い感動をもって第Ⅰコリント書15章を読んできた。この喜びをもって今週からはルカ福音書を読んでいきたい。これは2年を超える長丁場になるかも知れない。一方、風雲急を告げる世状はいよいよ終末迫りしことを感じさせ、ヨハネ黙示録にも目を向けなければならないかも知れない。

 ルカは「敬愛するテオフィロさま、わたしもすべての事を初めから詳しく調べていますので、順序正しく書いてあなたに献呈するのがよいと思いました。」と記して「テオフィロ」に献呈する目的をもって本書を書いた。しかし「テオフィロ」という名前はここにしかなく、その言葉が「神を愛する」とか「神の友」という意味であることからキリストを信じる人々全般を指すのではないかとも考えられている。いづれにしても本書が神の摂理の内にあって聖霊の導きの中で聖書に収録されていることを思い、私たちに対する神のみ言葉として感謝と畏れをもって読んでいきたい。

2023/6/20(火)担当 ラウジー満世師 創世記41:37-46 賛美 聖歌総合版471 聖歌458

 この解き明かしを聞いたファラオと家来たちは驚嘆した。彼らはヨセフに神の霊が宿っていることを認めずにはいられなかった。解き明かしに加えて今後の対処法まで述べたヨセフは、今後の豊作と飢饉への対応の責任者として迎えられた。そして就任式が行われ、ファラオはヨセフに大きな指揮権を与える指輪をも託した。驚くべきことである。大帝国のファラオが、名もなき小さな民で、エジプトへ奴隷として売り飛ばされ、牢にまで入れられていたヨセフを取り立てるのである。自ら神の化身と語って国を支配するファラオがこの若者に神の知恵が働いていると認めている。

 人の常識では考えられないことを神はなされる。神は大国の王にもまさるお方である。またヨセフの忍耐と信仰が神の力を証しするために用いられた。私が弱いからダメなのではなく、神の御力のゆえになんでも可能である。自分が何かをするのではなく、神が御業をなさることを喜ぼう。

2023/6/21(水) 担当 高谷清師 ルカ1:1-4  賛美 聖歌(総)526 聖歌 508

 本書は「ルカによる福音書」と呼ばれている。「マタイによる福音書」、「マルコによる福音書」においては著者について研究者の内でいろいろ異論があるようであるが、本書の著者がルカであることについては研究者の間でおおむね一致しているようである。ルカについては、彼はコロ4:10-14によると異邦人キリスト者であった。聖書著者のうち、異邦人はルカだけである。また、コロ4:14からルカは医者であったことが分かる。またH. ミュルデルは

「ルカとパウロの関係は重要なものである。長年にわたってルカはこの使徒の忠実な旅の伴侶であった。(中略)荒れ狂う群衆のエルサレムのただ中でルカはパウロの傍におり、この人のカイザリヤ幽囚の時期を通して、自分たちをローマに運ぶべき船上で、そして帝国の首都に足を踏み入れたときに共にあった(使21:15・27:1・28:1・1、14を見よ)。パウロ自身が、ルカは自分の第一回のローマ幽囚のときも第二回幽囚のときも付き添ってくれたと報告しているので、ここからわれわれは、ルカはピリピからエルサレムに向け出発した当初からパウロの生涯の終わりまで、ずっとこの人の側にいたと結論づけて差し支えない。ルカはどんな場合も、最も困難で不安なときも、同労者たちの誰よりもはるかに長い間パウロの側ですごしている。(コンパクト聖書注解ルカによる福音書IP11-12教文館2007)」

と記している。多くの研究者は本書の成立年代を70年代後半から80年代としている。それは自分が愛をもって仕えてきたパウロは殉教の死を遂げ、エルサレムは陥落し、神殿は破壊され、神の民と自負するユダヤ人は祖国を失い、離散の民となって行った。そのような中に在って真の平和をもたらす福音を全身全霊を注いで書き記したルカの深い信仰を見るのである。

2023/6/22(木)担当 ラウジー満世師 創世記41:47-57 賛美 聖歌総合版516 聖歌498

 ヨセフは宮廷の責任者となってからも忠実に働いていた。彼の言葉の通りに7年間の豊作があり、エジプトでは確実に穀物を蓄えていった。公の働きも神に祝福されたが、同時にこの間に二人の息子が与えられている。マナセとエフライムという名前から、ヨセフが神の恵みを覚えて神が与えてくださった守りと祝福を喜び、神を賛美していることが分かる。エジプトで地位と権力を与えられてもヨセフは忠実に働いた。傲慢にならなかった。若き日の兄たちから反感を買ったヨセフの姿はここには見られない。若き日には思慮と知恵が十分ではなかったゆえに様々な苦しみを経験したが、その経験の中からヨセフは常に神が共におられることを知った。また、苦難の中で忍耐強く神の時を待った、チャンスを与えられたときには自力で解決しようとして空回りするのではなく神に信頼して自分のなすべきことを行うことを学んだ。

 信仰者が苦しみ続ける時、「神はなぜこんな仕打ちをなさるのか、私を愛していないのか」とつぶやき疑うことがあるかもしれない。しかしその試練の中で神は練り鍛えて下さっている。どんなときにも神が共におられることを見出し、忠実でありたい。

2023/6/23(金) 担当 高谷清師 ルカ1:1-4 賛美 聖歌(総)643 聖歌 605

 ルカは「わたしたちの間で実現した事柄について、最初から目撃して御言葉のために働いた人々がわたしたちに伝えたとおりに、物語を書き連ねようと、多くの人々が既に手を着けています。そこで、敬愛するテオフィロさま、わたしもすべての事を初めから詳しく調べていますので、順序正しく書いてあなたに献呈するのがよいと思いました。」と記す。本書の内容は「わたしたちの間で実現した事柄」即ち、イエス・キリストによってもたらされた神の救いのわざである。この箇所について小副川幸孝師は

「これから語るイエスのあれこれの出来事は、過去に行われた事柄ではなく、神の救いの業として、今、ここでの「わたしたちの問で実現した事柄」であり、それだけに「わたしたちの事柄」として確信をもって語ることであると言うのである。

こうした著者ルカの信仰は驚嘆に値する。なぜなら、信仰は常に現実的な

事柄にほかならないからである。」(説教黙想アレテイア ルカによる福音1-11章P18日本キリスト教団出版局2014)

と述べておられる。イエス・キリストによる救いのみわざは過去の出来事ではない。復活されたキリストにより、遣わされた聖霊によって信じる者の上に今も働くのである。

2023/6/24(土) 担当 高谷清師 ルカ1:1-4  賛美 聖歌(総)151 聖歌 196

 続いてルカは「お受けになった教えが確実なものであることを、よく分かっていただきたいのであります。」と記す。本書の目的はテオフィロに、伝え聞いているイエス・キリストによる救いのみわざが確実なものであることをわかってもらうためである。そのためにルカは、すべての事を初めから詳しく調べているので、それを順序正しく書いてあなたに献呈するのがよいと思ったのである。イエスの十字架から40有余年を経た当時、イエスに関する虚実様々な教説が世に溢れていたであろう事は想像に難くはない。そのような中でルカは、すべての事を初めから詳しく調べているので、それを順序正しく書いて献呈するのである。 今日においても、統一協会問題、エホバの証人問題等々「聖書」を口にしながら、その内容を歪曲し、人々を滅びに導く教えが巷に溢れている。そのような状況下で神の摂理によって与えられた聖書を正しく解釈し、宣べ伝えることこそ、最重要課題である。